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発注から納品まで


一般的なサイエンティフィックイラストレーションの発注・制作プロセスをご説明します。 科学者など、科学について理解の深い人が発注する場合を想定して書きました。
イラストレーターや発注内容によって異なりますので、あくまで目安として参照してください。

1. 問い合わせと発注

クライアントがメールや電話等でイラストレーターに問い合わせをします。
クライアントは発注内容や条件などを説明し、 発注が成立するかどうか両者が判断します。 一般的にはこの時点で契約内容や支払金額が仮決定されます。

発注の際の注意点について:※1 ※2 参照


2. 打ち合わせ

クライアントとイラストレーターがメール/電話/対面で、 どのようなイラストを制作するのかについて話し合います。
クライアントがイラストの図案、論文、文献、その他資料など、 関係する資料を持っている場合は、できるだけ多くの資料をイラストレーターに提供します。 また、何を伝えたいのか、どんな知識を表現しているのかなどについても説明します。

図案
例:クライアントの図案
3. ラフスケッチの作成とチェック

イラストレーターがラフスケッチを作成し、クライアントが確認します。 クライアントはラフスケッチの内容を確認し、修正箇所を指示します。 イラストレーターはラフスケッチの修正を繰り返し、修正箇所がなくなったところで、 納品用の作品の制作に入ります。

発注の際の注意点について:※3 参照

ラフスケッチ
例:ラフスケッチ

4. 本制作とチェック
イラストレーターが納品用のイラストを仕上げます。 下描きができた段階、色付けした段階など、適切なタイミングで依頼者がチェックを行い、 修正がある場合には指示します。イラストが描きあがると、必要に応 じてラベルの文字などを入れ、完成させます。
完成した作品に対して、依頼者からOKが出されたら完成です。

図の完成 ラベル入り
例:作品の完成 例:ラベル入れ後の作品

5. 納品
イラストレーターが紙媒体や電子媒体で作品を納品します。

6. 支払い
依頼者がイラストの代金を支払います。イラストレーターは納品書を送付します。

※1: 発注を円滑に進めるために
クライアントが発注する際には、納品時期、イラストのサイズや枚数、メディア、著作権の扱いなどを明確に伝える必要があります。 この際、依頼書を作成すると確認事項が明確になり、発注が円滑に進みます。
内容が明瞭であれば、どんなフォーマットでも構いません。参考に、私が作成した依頼書を掲載します。
>>参考ファイル-依頼書.pdf
>>参考ファイル-依頼書.doc


※2:  契約に関わるトラブル防止のために
契約が成立した際には、契約書を交わすとトラブルを防止できます。 簡易的な取り決めだけでもいいので、契約内容を確認することをお勧めします。
イラストレーターは市販の契約書に関する本や、下記のサイトを参考にして契約書を作成してください。

著作権契約書作成支援システム
http://www.bunka.go.jp/chosakuken/c-system/index.asp

誰でもできる著作権契約マニュアル
http://www.bunka.go.jp/chosakuken/keiyaku_manual/index.html

参考に、私が作成した契約書を掲載します。 内容は契約ごと変わりますのでご注意ください。
>>参考ファイル-契約書.pdf
>>参考ファイル-契約書書.doc


※3:  修正作業をうまく進めるために

納品用のイラスト制作を始めてしまうと、途中で色味を変えることはできても、 形や配置を変えることは技術的に困難です(特に、手描きやPhotoshopのイラストの場合)。 クライアントからすれば、一部分をほんの少し位置をずらすだけのようにみえても、 全体を一から描き直さなければならない場合もあります。

  • クライアントは、ラフスケッチの段階でできるだ け細かい部分まで確認・修正し、納品用のイラストの制作終盤にはほとんど修正がないようにすることを心がけてください。

  • イラストレーターは、クライアントが確認・修正しやすいよう、 見やすく精密なラフスケッチを描くよう心がけてください。


※4: 見積請求納品書について
納品書はきるだけ作成したほうがいいと思われます。
大学などの予算で発注する場合では、見積書・請求書・納品書が必要になります。
参考に、私が作成した見積書・請求書・納品書のサンプルを掲載します。 イラストレーターは各自で作成してください。

>> 参考ファイル-見積書.pdf

>> 参考ファイル-請求書.pdf

>> 参考ファイル-納品書.pdf

(最終アップロード 2013年8月16日)