著作権について
■■ 著作権の基礎
ここでは、科学者が著作権法に違反してしまったり、イラストレーターの権利が侵害されてしまうことを防ぐため、 著作権の基本的な内容をご説明します。 説明を簡略化するため、科学者がイラストを使用あるいは発注をした場合に限定してお話しします。
科学者に関係しそうな部分の概略だけを書いていますので、詳細を知りたい場合は自分でお調べください。 また、イラストレーターの方で著作権をよく知らない方がいましたら、 この内容を読んだうえ、自分の権利を守るためさらに勉強することをお勧めします。
- 著作権とは
著作権とは、イラストを印刷や写真などで複製したり、展示したり、 ウェブサイト等で公衆に送信することなどができる権利です。
著作権は、イラストレーションを制作した時点で、 その制作者が自動的に取得しますので、著作権をとるのに手続きは必要ありません。
著作権は、創作後、著作者の死後の50年間保護されます。 科学者が日常で使うほとんどのイラストは著作権で保護されていると考えてください。
- イラストを利用する者が注意すべきこと
発注者もふくめ、イラストを制作した著作者以外の人間は、 譲渡されないかぎりは著作権を持っていません。
このため、コピーしたり、どこかに掲載したり、販売・譲渡したり、 改変・加工したりすることは、著作者に許可を得ない限りはできません。
ただし、許可を得ずに使ってもよいという例外事項もあります。次項を参照してください。
- 許可をとらなくてもいい場合
著作物であっても、次の条件を満たしていれば、 著作者の許可を得ずに利用することができます。
1) 私的に利用するために、イラストを複製すること
2) 授業で利用するために、イラストを複製すること
(著作権者に経済的に不利益を与える恐れ場ある場合を除く)
3) 非営利目的、観客から料金をとらず、講師が無報酬の場合に講座・講演等で利用すること
4) 引用して利用すること (次項参照)
※ここでは大幅に抜粋して掲載しています
※原則として出所の明示をする必要がありますのでご注意ください。
上記以外の用途で利用する場合は、下記のURLで文化庁のサイトを確認し、許可が必要かどうかを確認してください。 許可が必要と思われた場合には、著作権をもつ者に相談する必要があります。
※著作物が自由に使える場合(文化庁)
http://www.bunka.go.jp/chosakuken/gaiyou/chosakubutsu_jiyu.html - すでにあるイラストを引用する場合
他人の著作物を自分の著作物の中に取り込むことを引用といいます。 引用する場合は許可を得る必要はありません。
ただし、引用は、公正な慣習に合致し、報道、批評、研究その他、 引用の目的上正統な範囲内で行われなければなりません。
以下の事項に注意してください。(1)他人の著作物を引用する必然性があること。
(2)かぎ括弧をつけるなど,自分の著作物と引用部分とが区別されていること。
(3)自分の著作物と引用する著作物との主従関係が明確であること(自分の著作物が主体)。
(4)出所の明示がなされていること。
- 新たにイラストを発注する場合
著作権は、イラストを制作した者が持つものです。 著作権の譲渡を受けない限り、発注者は契約時に定められた範囲内でしかイラストを利用できません。
トラブルを回避するために、 契約時には最低でも次の事項については、確認・合意してください。
◎だれがどのような目的で、いつまで利用してよいか
◎加工したり改変しても良いのか
◎イラストに制作者の名前を表示する必要があるか
◎著作権を譲渡するかどうか
◎使用料・制作費の金額と支払い方法・時期はどうなっているのか
契約時には、合意事項をまとめた契約書を作ることをおすすめします。
契約書の作り方は「参考サイト」に載せた「著作権契約書作成支援システム」や 「誰でもできる著作権契約マニュアル」を参照してください。
■■ 参考サイト
文化庁で、初心者向きも含め、著作権に関して様々な情報提供をおこなっているようです。 下記はすべて文化庁関連サイトです。参考にどうぞ。
文化庁の著作権サイト
http://www.bunka.go.jp/chosakuken/index.html
著作権Q&A 著作権なるほど質問箱
http://chosakuken.bunka.go.jp/naruhodo/
著作権契約書作成支援システム
http://www.bunka.go.jp/chosakuken/c-system/index.asp
誰でもできる著作権契約マニュアル
http://www.bunka.go.jp/chosakuken/keiyaku_manual/index.html
(初稿 2013年1月10日)